カリキュラム試考
段階的情報教育
AIネイティブの子供たちにどういう教育が必要かを考えてみました。彼や彼女たちは生まれた時からAIがあることが当然という環境で育ちます。その時、子供たちに本当に必要な教育とはどういうものでしょうか。
ここで主要科目については、いったん置いておいて、情報を扱う人間として必要だと思われるカリキュラム項目を考えてみました。
中心になる考え方は
「知識と人間の付き合い方の段階的教育」
になります。そして、目的は
アナログ → 構造理解 → デジタル → AI
という順で理解し、体得(ここが大事)することです。
初等教育(小学校)
- カードなどを使ったアナログ情報整理と活用
- そろばん
- 論理的文章のまとめ方(レポートの書き方)
- ディベート
- 情報のアナログ的な調べ方(アナログ的な検索方法)
- インターネット検索とAIによる検索
- 文章の要約(国語に組み込む)
中等教育前期(中学校)
- 高度なアナログカードシステムの活用
- アカデミックライティングの基本
- 複数の文章の要約とまとめ
- ディベート
- 情報の組み立て方
- 小学生でやったのをさらに高度にしたネット検索とAI検索とその根拠の取り方
中等教育後期(高等学校)
- カードシステムとDB(データベース)
- アカデミックライティング
- ディベート
- 複数の論文要約
- 論文作成
- 高度なネット検索とAI検索とその根拠の取り方
個人別データベース
ここで、この教育のバックボーンとして「個人別のデータベース」の構築も加えておきたいと思います。
つまり、学生には小学校の時からタブレットとサーバースペースを与えておいて、自分が書いたものなどは全部電子化してタグ付けがされるような仕組みを作っておきます。
中等教育前期までは、アクセス不可にし、中等教育後期は指導者の管理の下でのみアクセス可とします。そして中等教育終了後は自由にアクセスできることとします。
そうすれば小学校1年の時の自分の疑問が大学や社会での自分の大発見や大発明のもとになる可能性すら出てくると考えられます。
ようするに、中等教育終了時には全員が、
- 全電子化
- タグ
- 検索
- AI補助
- 思考履歴
- 疑問の保存
まで入った「個人知識OS」を持っている社会となるのです。
AIとの親和性
今後のAI
この段階的教育と個人知識OSは実は、かなりAI時代向きです。なぜなら今後のAIは、
「その人が何を考えてきたか」
を長期的に理解するほど強くなる可能性が高いからです。
東京大学の推薦入試
最近の東大の推薦入試は非常に面白いです。高校生相手に本気の論文ベースのスキルを求めてくるという、結構いかれたものなのだけど、あれに嬉々として応募するような学生をたくさん育てる社会を作りたいと思っています。
もう少しきちんと言えば、最近の東京大学の推薦型選抜は、単なる
「勉強ができる子」
ではなく、
「自分で問いを持てる子」
を選抜しようというのがとてもよく表れています。そしてそれは実質、
- 要約
- 情報整理
- 論理構築
- 出典
- 根拠
- プレゼン
- 思考履歴
のような知識運用能力を要求しているのです。だから前述の構想、つまり、
- 小学校 → 情報整理
- 中学校 → 構造化
- 高校 → 論文・要約・データベース・AI
- 大学 → 本格研究
というのは、実はかなり自然な流れなのです。それはすなわち、子供たちに、
AIを使いながら、根拠と構造を持て
ということであり、
知識空間を自力で歩ける学生
を育てたいということなのです。